柳原白蓮の歌碑


いちき串木野市の長崎鼻海岸には,明治から昭和にかけ実在した歌人,柳原白蓮の残した詩の歌碑があります。
柳原白蓮は,NHK連続テレビ小説「花子とアン」で,仲間由紀恵さん演じる主人公の腹心の友「葉山蓮子」のモデルにもなりました。

歌碑

「右も海左も海の色蒼く沖の小島に想いはふかし」

昭和32年の春,中国視察旅行の帰途,かねてより親交のあった元宮中女官串木野婦人会会長の奥田のぶ,ならびに市婦人会の招聘による講演後,この長崎鼻の絶景に魅せられて詩を残したと言われていますが,想いを馳せた理由はそれだけでもなさそうです。
柳原白蓮には「香織」という名前の息子がおり,現在の日置市日吉町の地で終戦直前(昭和20年)に戦死しています。そして,白蓮は,香織の死後12年目の昭和32年に日吉町の香織の墓を訪れ,静かに手を合わせたそうです。

また,「香織」が戦死した頃,串木野の町も空襲のため焼け野原となりました。焼け野原から復興しつつある串木野を訪れ,また同じ戦争で息子の命を奪われた不条理を感じる母の気持ちを,どこまでも広がる蒼い海に重ねて詠んだのではないでしょうか。白蓮の訪れた長崎鼻の絶景に,ぜひお立ち寄りください。

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